📋 プロジェクト概要
- 所在地
- 沖縄県南城市
- 規模
- 肥育豚 約1,000頭
- 施設
- 連続曝気方式 / 容量380㎥(第一〜第四曝気槽)
- 流入量
- 18t/日
- 実施期間
- 平成25年3月〜平成26年4月(約1年間)
- 検査機関
- 一般財団法人 沖縄県環境科学センター
⚡ 導入前の課題
久原養豚場では、排水処理における水質基準の達成が長年の課題でした。BOD(生物化学的酸素要求量)が14,700 mg/Lと極めて高く、希釈水として農業用水を大量に使用せざるを得ない状況が続いていました。また、全曝気槽でバルキング(異常発泡)が常時発生しており、水面がほぼ見えない状態でした。
- 希釈水コストが高額(農業用水 90t/日、月額約162,000円)
- 脱水機の稼働が1日8時間必要
- 定期的なバキューム吸引が必要で作業負担が大きい
- 全曝気槽でバルキングが常時発生し、水質基準を超過
🔬 バイオパワーによる処理アプローチ
平成25年3月より、第一曝気槽へのバイオパワー微生物素材の計画的な投入を開始しました。バイオテクノ小禄のスタッフが毎週現場を訪問し、槽の状態を記録しながら投入量・方法を段階的に調整しました。
投入スケジュール
- 初期投入(2013年3月):600L を浄化槽全体へ一斉集中投入
- 定期投入(2013年6月〜):週1回 10〜20L の維持投入を正式開始
- 臭気対策:豚舎への定期散布で臭気も同時に改善
月次改善タイムライン
| 時期 | 施工内容・確認事項 |
|---|---|
| 2013年3月 | バイオパワー初期投入(600L)。全槽でバルキング大量発生の状態から開始。 |
| 2013年4〜5月 | 泡が徐々に減少し水面が見え始める。希釈水量を2倍(1時間2t)に変更して経過観察。 |
| 2013年6月 | 週1回10L定期投入を正式開始。全槽のバルキングが大幅減少。返送汚泥パイプ詰まりを発見・交換後に改善。 |
| 2013年7月 | パイプ交換後、第一曝気槽の色が他槽と同水準まで回復。臭いも問題なし。 |
| 2013年8月 | 第三者機関による計測でBOD 6.3 mg/L(改善率99.96%)を達成。 |
| 2013年11月〜 | 状態安定により大量希釈水が不要に。直接曝気槽への集中投入へ切替。 |
| 2014年1〜2月 | 希釈水量を最小限に削減しても正常運転を継続。放流槽の色も通常に回復。 |
| 2014年3〜4月 | 全槽でバルキング消滅・安定運用を確認。1年間の実証実験が正式完了。 |
| 2014年11〜12月 | 完了後も継続使用。冬季(外気温20℃)でもバルキングなし・正常運転を継続中。 |
📊 第三者機関による検査結果
一般財団法人 沖縄県環境科学センターによる第三者計測で、すべての水質指標において劇的な改善を確認しました。
99.96%
BOD改善率
99.1%
SS改善率
99.94%
NH₄-N改善率
93.6%
全窒素改善率
| 測定項目 | 導入前 | 導入後 | 改善率 |
|---|---|---|---|
| BOD(生物化学的酸素要求量) | 14,700 mg/L | 8.6 mg/L | 99.96% |
| SS(浮遊物質量) | 530 mg/L | 5 mg/L | 99.1% |
| NH₄-N(アンモニア性窒素) | 300 mg/L | 0.17 mg/L | 99.94% |
| 全窒素 | — | — | 93.6% |
📸 現場写真記録(処理前後)
毎週の現地調査でスタッフが撮影した、浄化槽の状態変化記録です。
📌 詳細写真記録について
2013〜2014年の週次現場写真をすべて収録した補足資料は別ページでご確認いただけます。各月の槽の状態変化が時系列でご覧いただけます。
💬 現場管理会社からの報告
脱水機の稼働時間が1日8時間から2時間に短縮(75%削減)されました。実験期間中はバキューム吸引が一切不要となり、コストと作業負担が大幅に軽減されています。実験完了後も「継続的に使用したい」との申し出をいただいています。
— 現場管理会社担当者より(2014年4月)
✅ 導入による複合的効果
希釈水コストの大幅削減
農業用水 90t/日(月額約162,000円)が不要に
脱水機稼働時間を75%削減
1日8時間の稼働が2時間へ。電気代・機器摩耗も低減
バキューム吸引ゼロを達成
1年間の実証実験中、バキューム作業が一切不要
臭気の大幅改善
曝気槽・豚舎ともに臭気が大幅に低減し、作業環境が改善
設備・機材の長寿命化
脱水機・ポンプ等の稼働負荷が下がり、機器の寿命が延長
冬季も安定運転を継続
外気温20℃の冬季でもバルキングなし。年間通じた安定性を確認